杉板の表面を焼く『焼杉』のワークショップが行われました。
2024年4月23日、佐用町若杉館駐車場で開催された『焼杉ワークショップ』の様子をご紹介します。日本古来の技術である焼杉は、木材を炎で焼いて耐久性を高める方法です。地元住民や専門家が参加し、実際に杉板を焼く工程を学びました。参加者は実践を通じて、木材がどのように炭化し耐候性が向上するかを体験しました。このワークショップで得た知識と技術を活用し、自然素材の可能性を再発見しましょう。
焼杉とは
焼杉(やきすぎ)は、木材の表面を炎で焼くことで特有の風合いを出し、耐久性を高める日本古来の技術です。
焼杉は、表面を焼き炭化させることで、木材が水分を吸収しにくくなり、それによって腐食やカビ、害虫の被害を効果的に防ぐことができます。また、炭化層が紫外線による劣化を防ぐため、屋外で使用される際の耐候性が向上します。
参加者は、佐用町海内の地元住民が主催し、宮大工さん2名、建築会社さん1名、地元メンバー3名、地域外5名です。
焼杉の作製手順
① 杉の材料を準備します。
三寸、四寸、五寸
木表を焼くために、木表を内側にして三角形に組みます。番線で締め、互い違いに組むことが必要です。
③ 足場の下に炉を組み熾火を作り杉材を炉に直接立てる。
杉葉をくべ煙突効果により
内側に煙と炎が昇ります。
④ 材の先から炎が立つ手前で材を上下ひっくり返します
⑤ 材の先から炎が立つのを確認しつつ頃合いを待つ
炉から外し仕上げにバール等で、組み上げた材の接地面を入れ替えて焼きムラをなくし全体的に焼き上げます
(炉から材を外しても内側はまだ燃えているため、バールを使用して隙間を広げると空気が入り、炎が一気に立ちます)
《この時、燃え上がる勢いが一番強くなりますので、火の粉を浴びますから危険な作業になります》
作業には女性二名も参加しています。
⑥ 材を立て掛けた状態から外して横倒しにして番線を取り水をかけます。
[子供達は、水をかける消火班として大活躍]
⑦ 消火した焼板を移動し広げて粗熱をとります
⑧ 粗熱が取れたら焼板を裏返して積み上げます。焼いた面が収縮して反るため、裏返して一昼夜から数日間放置し、反りを戻します。