佐用町の地域づくり協議会とは

佐用駅を出発する特急スーパーはくとと佐用町役場の風景|兵庫県佐用町
佐用駅を出発する特急スーパーはくとと佐用町役場の風景

兵庫県西播磨に位置する佐用町は、岡山県との県境にほど近い山あいの町です。千種川の清流や日本の棚田百選にも選ばれた「乙大木谷の棚田」など豊かな自然に恵まれていますが、過疎化と高齢化が長年の課題となっています。

平成17年10月に佐用町・上月町・南光町・三日月町の4町が合併して新しい佐用町が誕生し、翌平成18年4月、おおむね旧小学校区を単位とした13地区に「地域づくり協議会」が設立されました。住民と行政がそれぞれの役割と責任を明確にしながら協力してまちをつくっていく、いわゆる「協働のまちづくり」を実践するための住民自治組織です。旧小学校区を単位にしたのは、お互いの顔がわかり、習慣や文化の共通点も多いという理由からでした。

何をしている組織なのか

一言でいえば、「ひとつの自治会では手が届かないことを、地域全体で支え合う」仕組みです。防犯・防災活動、集会施設の管理といった日常的な活動や、祭り・運動会などの季節行事、文化や技能の伝承など、集落の暮らしを支える活動を担っています。各地区の協議会はそれぞれ独自の「地域まちづくり計画」を策定しており、地域の現状と課題を自分たちで分析したうえで取り組みを進めています。
地域ごとに個性があり、自分たちの実情に合った運営が展開されているのが特徴です。

なぜ地域づくり協議会が必要なのか

佐用町では、人口減少や高齢化により、 従来の自治会だけでは地域の維持が難しくなってきました。 そこで、複数の自治会が協力し合い、 地域全体で課題を共有し、解決していくための組織 として 地域づくり協議会が設立されました。

どんな特徴があるのか

  • 住民主体:行政任せではなく、住民が自分たちで地域を動かす
  • 地域ごとの特色:13地区それぞれに個性があり、活動内容も異なる
  • 交流の場づくり:健康づくり、文化活動、イベントなど多彩
  • 自治会の補完:小さくなった自治会を地域全体で支える仕組み
  • 「縮充」の考え方:規模は小さくなっても、暮らしの質を高める取り組みを続ける

13の協議会、それぞれの事情

町内13の協議会の中で最も規模が大きいのが佐用地域づくり協議会で、旧佐用小学校区の23集落・約3,400人で構成されています。町の中心地という立地から若い世代の転入もあり、住民のニーズが多様なぶん、課題の幅も広いといいます。一方、北西部に位置する江川地域は高齢化率が50%を超え、農業後継者不足や獣害による耕作放棄地の拡大が深刻な課題になっています。同じ佐用町の中でも地区によって事情は大きく異なっており、各協議会がそれぞれの現実に向き合いながら活動しています。

「佐用駅に停車する姫新線の列車とホーム風景」

用駅に停車する姫新線の列車とホーム風景

行政との関係

行政側は担当職員の配置、運営に対する助言・情報提供・連携などのサポートに加え、平成25年度からは「地域自治包括交付金」制度を設けて活動経費を助成しています。ただし単なる補助金頼みの関係ではなく、住民が主体的に動き、行政がそれを支えるという形が基本的な考え方です。

現在の課題と「縮充」という方向性

設立から20年近くが経ち、役員構成や組織運営の硬直化、事業のマンネリ化、参加者の固定化、地域リーダーの後継者不足といった問題も出てきています。令和元年度からは「みん活(みんなの地域づくり協議会 活力向上プロジェクト)」と名付けた見直しも進めています。

今後は「縮充(しゅくじゅう)」をキーワードに、人口や規模が小さくなることと向き合いながら、楽しさ・やりがい・若者の参画・女性の活躍・関係人口の推進を大切にした地域づくりを目指しています。数を追うより、一人ひとりが「ここに住んでいてよかった」と思える暮らしの質をどう守るか——地域づくり協議会はその問いに、住民自身の手で答え続けようとしている組織です。

▶ 佐用町 縮充のまちづくり宣言

まとめ

佐用町の地域づくり協議会は、 “地域のことは地域で決めて、地域で支える” という考え方を大切にしながら、 住民同士のつながりを守り、暮らしやすい環境をつくるための組織です。

大きな事業というより、 日々の生活に寄り添った活動を積み重ねることで、 「ここに住み続けたい」と思える地域づくりを進めています。


佐用町海内地域づくり協議会とは

佐用町海内地域づくり協議会の夏祭り風景|提灯の下で地域住民が集う夜のイベント

佐用町海内地域づくり協議会の夏祭り風景|提灯の下で地域住民が集う夜のイベント
佐用町海内地域づくり協議会による夏祭りのにぎやかな様子

海内地域づくり協議会は、佐用町の中でも特に世帯数が少ない 海内(みうち)・桑野の2つの自治会が協力して運営している地域組織です。 山あいの細長い地形に家々が点在し、人口の半数以上が高齢者という、 いまの地方が抱える課題がそのまま現れている地域でもあります。

地域内には商店や公共交通がほとんどなく、 住民の多くが町外へ通勤したり、買い物に車で出かけたりと、 日常生活の負担が大きくなりがちです。 こうした状況を少しでも支え合うために、 海内地域づくり協議会は 「地域のことは地域で決める」 を合言葉に活動しています。

協議会では、

  • 地域行事の企画
  • 高齢者の見守り
  • 道路・水路の整備
  • 防災活動
  • 情報共有の場づくり など、暮らしに直結する取り組みを住民同士で進めています。

また、10年以上前に作られた「海内まちづくり計画」を見直し、 『みらいへ受け継ぐ地域の絆』 を新しいスローガンに掲げ、 活動の目的や意味をもう一度見つめ直しながら、 無理なく続けられる地域づくりを目指しています。

小さな地域だからこそ、 「できる人が、できるときに、できることを」 という姿勢を大切にしながら、 住民が安心して暮らし続けられる環境づくりに取り組んでいる協議会です。


error: